The best way 651's diary

どんな事があっても、自分自身で前向きにひたすら歩き続ける。1歩1歩の楽しさを感じよう!

-第7章-

― 果たせなかった日 ―
 
悔やんで悔し切れない程の何もしてやれなかった日があった
 
祖母が、ボケる前の健康だった頃の話
 
僕が、高校夜間部へ通っていた頃だった。
 
今でも、僕が思い出す度に悔しい気持ちが、、、辛かったな、、、
 
すっごく覚えてるのはこの言葉だった
 
祖母「伸ちゃん」
 
僕「ん?なに?」
 
祖母「伸ちゃん、いつになったら車の免許取れるかな?」
 
僕「そうだねぇ、いつか免許取得して、親孝行として車に乗ってどこか連れてってあげるよ!」
 
祖母「そう、早く取れてたら良いな・・・、おばあちゃん長く生きていられないから・・・」
 
僕「そんな事を考えないで、僕が、

温泉巡りとかおばあちゃんが行きたいところへ連れてあげるから」
 
祖母「そう、おばあちゃん嬉しいよ。約束ね!楽しみしているから」

僕「分かった!約束する」

こんな短い言葉で心の中にどこか片隅に刻まれて封印してある
 
祖母が居なくなってから、ポッツリと僕だけになってた自分が居てて辛かった
 
祖母への感謝とか親孝行としての旅行の約束が実現する事も何も果たせないままに
 
1番辛い気持ちだった
 
1番悔やんだ

しばらく忘れたある日に
 
母がじーっとケータイで眺めてたんだよね。
 
僕が、「何してんの?」と言ったら
 
母が、「これだよ。」と言ってケータイを持って見せてきた
 
僕、「ん?」と言って何だろう?と思い観てみたら
 
母がケータイで撮っていた相手は、祖母だった。

小さな動画だった

祖母がボケ気味だったけど、元気な顔の動画だった
 
声はあまり小さくて聞こえないけれど、しっかりと撮れてた。
 
母が、こう言っていた「これねぇ、たまーに観るのね。伸ちゃんも要る?」
 
僕、「うん、ありがとう。やっぱこうやって見ると、おばあちゃんの顔見ていると、

元気な姿って感じで見えるね。」
 
母「そうだね、居なくて寂しいからたまーに、これで見てるのよ」
 
僕のケータイを当てて、その動画を貰った
 
今でも、忘れた頃になると観ています。